2019 春季

G.C.0051。 ファーストコンタクトから半世紀。 超光速航行技術を手にした人類は、 いくつかの種族(宇宙人)と惑星連邦を結成していた。 NEO TOKYO 八百八町———。 ロビーは、顔は悪くないが残念なアラサー。 自称フリーのルポライターだが、仕事上の失敗から契約を切られ、彼女には振られ、 交通事故で死にかけるなど、人生で思うにまかせぬ不運が続き、 ついには借金取りに追われる身に。 ある日、ひったくりに鞄を奪われたロビーは、一人の青年に助けられる。 犯人を捕まえて鞄を取り戻してくれたそのフリーターの青年は、ハッチと名乗った。 お礼にと飯を奢るロビー。 「曲がった事は大嫌い」と言うハッチ。「楽して暮らせればそれでいい」と言うロビー。 「きっと何か面白いことがあるはず」と言うハッチ。 「世の中いいことなんて何もないさ」というロビー。二人はまるで正反対。 「バイトがんばれよ」「おじさんもね」と言って別れた翌日、 やって来た借金取りはハッチだった。 「お前、なんでここに?」 「バイトなんだ」 ハッチのバイトとは、ロビーが借金をした高利貸しのヤンのバイトだったのだ。 「曲がった事は嫌いだって…」 「だから借りたお金は返そうよ」 追いつ追われつのドタバタのさなか、しびれを切らしたヤンが、 部下のアロとグラを引き連れて姿を現す。 絶体絶命! しかし間一髪、ロビーはピンチを切り抜けると宇宙船で大空へと飛び立った。 ヤンたちを振り切ったロビーは、 このまま宇宙へ出て「イセカンダル」に厄落としの旅に出ることを思いつく。 「イセカンダル」とは、銀河の彼方にある行けば幸せになるという伝説の惑星だ。 が、その時、ハッチがひょっこり顔を出す。 一人で飛び立ったと思っていたロビーだが、ハッチを乗せたままだったのだ。 「決めた!俺も行く!」 「そんな勝手な!」 こうして旅立った二人は、恒星間ワープを駆使して、 一路「イセカンダル」を目指してギャラクシー街道を突き進むのだった。

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